小夜曲
〜 Note 〜



 山百合会主催舞台劇考

 昨年の舞台劇シンデレラは、祥子さまの男嫌い解消を狙ったものでした。
槍玉に挙げられた祥子さまとしては、今年の舞台劇でも山百合会の抱える問題解消を狙っていると思われます。
 ずばり、つぼみの妹問題。
ターゲットは祐巳ちゃんの方かなと思います。
理由として、令さまの視点から、由乃さんの妹に関してあまり言及していないのは、祐巳ちゃんに妹が出来れば、焦った由乃さんは何が何でも妹を作るだろうと考えているからじゃないかと…。

 そういったことを前提に、題材を選択したのだと思いますが、その時期は、本編にそれらしい記述が載っています。
 夏休みに祥子さまが図書館から借りられた古典文学の本。
「涼風さつさつ」では祐麒にお手伝いを打診していることから、この時期には主要部分はある程度決まっていたものと思われます。

 では、その題材は?
祐巳、祐麒の双子性はやはり生かしたいと考えるでしょうから、やはり双子が主人公の物語が有力です。
 例をあげるなら、「とりかえばや物語」。
原本はともかく、現代版とりかえばや物語「ざ・ちぇんじ」はかなり有名だと思います。
氷室冴子先生原作の小説は、「マリア様がみてる」と同じコバルト文庫ですし、今野緒雪先生と親交があって配役とかのお話をされているかもしれません。
漫画版は白泉社出版で、書店を探せば白泉社文庫版がまだ見つかると思います。

 前置きが長くなってすいません。
この件を書こうと思ったのは、配役について、とある考えが浮かんだからです。
常に双子が一緒に登場する劇では無理ですが、「ざ・ちぇんじ」のように二人同時に登場する機会の少ない劇なら、祐巳ちゃん一人二役ができないかなと。
そう、『綺羅君・綺羅姫:福沢祐巳(一人二役)』です。
一年生を中心に絶大な人気を誇る祐巳ちゃんの一人二役は話題にもなるでしょうし、祐麒のことを事前に告知しなければ、二人同時に登場するシーンはビジュアル効果も抜群です。

 そして、配役的にも面白い配置ができるような気がします。
雪標の独断と偏見で決めてみたのが以下のようなもの。

 綺羅君(姉)福沢祐巳(一人二役)
綺羅姫(弟)福沢祐巳、福沢祐麒(Wキャスト)
主上小笠原祥子
左大臣(姉弟の父)支倉令
宰相の中将島津由乃
右大臣家三の姫藤堂志摩子
小百合(乳母の娘)二条乃梨子
女東宮久宮松平瞳子

 綺羅君恋しで綺羅姫を女御に迎えようとする主上は、祥子さまにぴったり。
 令さまは変に他の人と絡みがある役だと由乃さんがごねるので無難に。
 綺羅君に迫り、三の姫を妻に迎える宰相の中将には由乃さん。
つぼみ同士、つぼみ+白薔薇さまの絡みも由乃さんが主なら可能でしょう。
 綺羅君のお嫁さん、右大臣家三の姫には志摩子さん。
こちらもつぼみ+白薔薇さまの絡みが楽しめます。
 最初はか弱いけど、後々綺羅姉弟をしっかりサポートする小百合には乃梨子ちゃん。
女東宮久宮との絡みもあってなかなかのはまり役。
 そして、女東宮久宮は瞳子ちゃんのはまり役、もうそのまんまです。
最初、口ではきついことを言いますが徐々に綺羅姫に心を開き、大好きになる過程は、祐巳ちゃんに見せることで、現実の瞳子ちゃんとの関係進展を狙えるのではないかなとも思えます。

 理由が後回しになってしまいました。
祐巳、祐麒を姉弟で主役にしてしまうと、祐麒の負担も大きく、練習にも支障がでてきます。
昨年の場合も、柏木さんがリリアンに来たのは二、三回でしたし。
これでは主役の一方は無理がありそうです。
 祐巳ちゃんの一人二役なら、祐麒のところだけ代役ってこともできますし、都合がいいんじゃないかというわけです。
 それと、「チャオ ソレッラ!」でキャストを発表したとき、祐巳ちゃんが驚いていたって記述があったと思います。
祐巳、祐麒の双子性を利用することは、多分、祐巳ちゃんの予想にはあったと思うので、それを覆すような内容だったと思うのです。

 最後に可南子ちゃんの処遇です。
構想段階でまだその存在が知られていなかったので、主要キャストにどう絡ませるかですが、志摩子さんをナレータに、乃梨子ちゃんを三の姫にして、小百合に可南子ちゃんというのも面白そうです。
 祐巳ちゃん綺羅尚侍を間に挟んで、瞳子ちゃん女東宮久宮、可南子ちゃん小百合のバトル…いいかもしれませんね。


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